配達員の方の細やかな配慮と感謝の循環

雨の強い日だった。

不在の間に、いつもの水が届いていた。

20キロ近くある重い荷物である。 いつも配達の際には電話を入れてくださるので、不在でも水が届いたことが分かる。

荷物は、いつものように雨の掛からない軒下に置かれていた。

ただ、その日は少し違った。

荷物には、ナイロンが一枚被せられていた。

こちらとしては、不在時に置いてもらう以上、多少雨に濡れることも承知している。

それでも、濡れないようにと一手間を加えてくれた。

たった一枚のナイロンだった。

しかし、その一枚に、仕事への姿勢を感じた。

荷物を運び、指定された場所に置けば、業務としては完了なのかもしれない。

それでも、その先にいる受け取る人のことを考える。

見られているわけではない。 その場で感謝されるわけでもない。

それでも、雨を見て、ナイロンを被せる。

そこに、プロフェッショナルさを感じた。

不在連絡票には、西濃運輸 姫路支店の山本さんという名前があった。

直接お会いしたことはない。 電話の声から、女性のドライバーの方だと思っていた。

この感謝を本人に伝えたいと思い、西濃運輸本社のお客様窓口へメールを送った。

本社のお客様窓口から担当部署へ。 担当部署から姫路支店へ。 そして、山本さん本人へ。

先日、山本さんからお電話をいただいた。

こちらは感謝を伝えたつもりだった。

けれど、返ってきたのは、山本さんからの感謝の言葉だった。

自分の言葉が、本社から部署を経て、確かに本人まで届いていた。

苦情は会社へ届きやすい。

しかし、良い仕事への感謝は、意識して伝えなければ、本人まで届かないことも多い。

丁寧な仕事を見つけた人が、それを言葉にする。

会社がその言葉を受け取り、現場で働く人へ届ける。

そして、その人が、自分の仕事を誰かが見ていたことを知る。

感謝とは、相手を喜ばせるだけのものではない。

良い仕事を、良い仕事として残す行為なのかもしれない。

電気工事にも、誰にも見えない一手間がある。

完成すれば隠れてしまう部分。 図面には書かれていない配慮。 後から作業する人が困らないように残す余裕。

誰にも褒められないかもしれない。

それでも、ナイロンを一枚被せるような仕事をする。

仕事の価値は、大きな成果だけに表れるものではない。

誰も見ていない場所で、もう一手間を加えられるか。

その小さな行動に、その人の仕事が表れる。

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